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〜きなクラス別館〜

韓国の乳幼児教育制度について〜オリニチプ、ユチウォンと教育課程〜

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韓国の乳幼児教育制度について、教育部、保健福祉部や論文などを基にまとめてみたいと思います。

 

 

小児の年齢別区分

韓国のサイトでは、乳児期が1歳まで、2歳まで、3歳までと様々な情報が出てきます。論文を見ると、研究者によって基準はばらついているのですが、一般的には幼稚園の就学基準から区分していました。

このブログにおいても、教育部や保健福祉部で提示している区分で定義していこうと思います。

乳児(영아)・・・生後0〜2歳

幼児(유아)・・・満3才〜小学校就学前まで(幼児教育法) 

 

 韓国の乳幼児に関わる施設

韓国でも、日本と同様に幼稚園(유치원/ユチウォン)保育所(어린이집/オリニチプ)があります。

それぞれの施設によって所轄も違い、日本の幼稚園(文部科学省)、保育所(厚生労働省)と似たように、二元化している現状と言えます。それぞれの施設について見てい来ます。

幼稚園(유치원/ユチウォン) 

 幼稚園は主に教育の機能を担っており、所轄は日本でいう文部科学省にあたる教育部です。その他の概要は以下の表の通りです。

  幼稚園(유치원)
法的根拠 幼児教育法(유아교육법)
所轄 教育部(교육부)

条件

満3歳以上〜6歳未満の就学前幼児

免許 幼稚園正教師(유치원정교사)1級、2級
保育の基準 2019 改訂 ヌリ課程(2019 개정 누리과정)

運営時間は、 3〜5時間で時間延長は選択できます。

 

幼稚園の種類 

幼稚園の種類は、主に2つです。

・国公立幼稚園 

政府設置。小学校の隣に併設されている’併設幼稚園’と小学校とは分離されている’単設幼稚園’がある。

・私立幼稚園 

民間が設置、運営している。

私立幼稚園の教師になるには、先ほど紹介した表の中での幼稚園正教師2級の資格が必要です。国公立の幼稚園は、年1回行われている採用試験に合格しなければなりません(임용고시)。

 

保育所(어린이집/オリニチプ)

オリニチプは主に保育の場を担います。 保健福祉部が所轄になっています。

  保育所(어린이집)
法的根拠 乳幼児保育法(영유아보육법)
所轄 保健福祉部(보건복지부)
条件 6歳未満の就学前幼児
免許 保育教師(보육교사)1級、2級、3級
保育の基準 標準保育課程(표중보육과정)
2019 改訂 ヌリ課程(개정 누리과정)

 運営時間は12時間で、時間延長もできます。

 

保育所の種類

・国公立オリニチプ 政府が設置、管理している。

・法人オリニチプ 社会福祉法人が設置者。

・民間オリニチプ 非営利団体や法人、個人が設置。

・家庭オリニチプ 個人が設置、運営する。

・職場保育施設 職場の中に設置。 

オリニチプは、様々な種類があり、それぞれ特色が違います。それぞれで費用も変わってきます。(また別の記事にできたら紹介します。)

 

育児政策研究所(2019)が行った2018年全国保育実態調査によると、乳幼児を育てる親が政府に求める内容として、国公立オリニチプを増やしてほしい』という意見が最も多かったそうです。理由としては、国が設置、管理しているということから良質な保育を受けられるという公教育サービスへの信頼があるからとみられます。

 

政府としても全体の40%を国公立オリニチプにできるように推進しているようですが、2018年12月の基準では14.2%と、比率的にはまだまだ低い現状があります。

 

そこで2019年9月からは、一定世帯数あるアパートの団地などに国公立オリニチプを設置するように義務化したという流れがあり(乳幼児保育法)、今後その数は増えていきそうです。

 

教育課程

先ほど説明したように、韓国も教育施設ごとに所轄の違う二元的な体制が取られてきました。

しかし、少子化の対応、教育の機会の保障として「幼保一元化」の認識が高まり、2012年「ヌリ課程(누리과정)」という満3〜5歳を対象とする共通の教育課程が2つの施設で導入されるようになりました。

つまり、0〜2歳、3〜5歳という区分で2つの教育課程があります。

 

0〜2歳:標準保育課程(표중보육과정)
3〜5歳:ヌリ課程(누리과정) 

 

以上の2つです。 

それぞれの教育課程については、また別の記事でご紹介したいと思います。

 

日本との比較

日本でも、幼稚園、保育所、認定こども園の3つの施設において教育課程の領域、内容の共通化(3〜5歳)が行われたり、幼保連携の視点から認定こども園への注目が高まっていることは、最近の改訂などの動向から読み取ることができます。

 

このように、教育施設の括り、幼保一元化の方向性など、大まかな流れや方向性はとても日韓で似ているところがあることが分かります。

 

日本と似ている部分が多いのは、やはり歴史的な背景から日本の影響が強く残っています。韓国も独自に教育制度の改訂が何度も行われていますが、その影響は完全には消えていません。

だからこそ、現代の様々な社会問題に教育が対応していく考え方や方策、OECDが提示する新たな学力観の教育を展開していくにあたって、この2つの国の教育課程を比べることで、よりそれぞれの国の保育の特色や方向性が見えてきます。

 

今後の記事の中で、その違いをまとめていきたいと思います。

 

参考資料

1)金正民,加藤あや子,中林美穂(2017).韓国の就学前教育制度及び「年齢別ヌリ課程」と「幼稚園教育要領」の内容比較

2)全京和(2018).日本と韓国における幼児教育のカリキュラムに関 する比較考察 --「幼保連携型認定こども園教育保育要領 」と「3~5歳年齢別ヌリ課程」を手がかりに--.地域連携教育研究(2).41-53

3)보건복지부(2018), 2018년 전국보육실태조사(어린이집조사 보고).

4)허은정,채영란(2020).민간・가정 어린이집의 국공립어린이집 전환정책 및 위탁제도에 대한 보육교직원의 인식.인문사회21(11).3.797-811

 

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