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【韓国の幼児教育】2019 改訂ヌリ課程が追究する人間像

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 韓国では、幼児教育を通してどんな子どもを育てようとしているのか(追究する人間像)について、解説書(『2019 개정누리과정 해설서』)を基に、まとめていきたいと思います。

 

 

前回の記事はこちら↓ 

iedukorea.com

追究する人間像(추구하는 인간상)

幼稚園やオリニチプの3〜5歳に適応されるヌリ課程は“国家水準の教育課程”とされています。この国家水準のヌリ課程が向かうべきビジョンとして、追求する5つの人間像が示されています。

가. 건강한 사람(健康な人間)

나. 자주적인 사람(自主的な人間)

다. 창의적인 사람(創意的な人間)

라. 감성이 풍부한 사람(感性が豊かな人間)

마. 더불어 사는 사람 (共に生きていく人間) 

この人間像は、後の小中等学校の教育課程に示される人間像と連携していることから、韓国においても日本同様、幼児教育を義務教育を見通した教育として扱っていることがわかります。

 

(小中学校との連携)

ヌリ課程(幼児)

小中等学校教育課程

健康な人間
(건강한 사람)

該当なし

自主的な人間
(자주적인 사람)

自主的な人間
(자주적인 사람)

創意的な人間
(창의적인 사람)

創意的な人間
(창의적인 사람)

感性豊かな人間
(감성이 풍부한 사람)

教養のある人間
(교양이 있는 사람)

共に生きる人間
(더불어 사는 사람 )

共に生きる人間
(더불어 사는 사람 )

(『2019 개정누리과정』『2015 개정교육과정』を基に筆者作成)

 

“健康な人間”はヌリ課程のみに示されていますが、これは幼児期が身体や精神の健康に重要な影響を与える時期ことを考慮したことによる、とされています。

 

 

健康な人間

健康な人間とは、心と体がどちらか一方ではなく共に発達し、健康を維持し、安定した生活をする人間を意味している。幼児は、体を自由に動かし、遊ぶことが好きであり、世界と楽しく関わりながら、自身の健康と安全を自ら守っていく。

改訂ヌリ課程では、幼児が丈夫な体と安定的な情緒を基に、自分が大切な存在であることを知り、日常において健康な生活を実践し、危険な状況から自分を守る経験を通して健康な人間に成長していけるよう支援していく。

 自主的な人間

自主的な人間とは、自分をよく理解して尊重し、自信をもって自分のできることを主導的に行っていく人間を意味している。幼児は、自身がしたい遊びなどを自ら決め、積極的に参加していく。

改訂ヌリ課程では、幼児の自身に対する理解を元に、自分を価値のある肯定的な存在であることを感じさせながら、自分ができることが何なのか知り、能力を伸ばすために努力する人間に成長していけるよう支援していく。 

創意的な人間

創意的な人間とは、世界に開かれており、好奇心が強く、自分だけの方法で想像し、感じ、表現し、探究する中で新しく独創的な考えをする人間を意味する。幼児は、自然と日常で出会う多様な物事と問題に好奇心が強く、想像力が豊であり、気になることを積極的に探究しながら自ら答えを探していく。

改訂ヌリ課程では、幼児が遊びを通して自身の関心と興味によって世界を探索し、挑戦し、実験する課程で積極的に参加する人間に成長していけるよう支援していく。

 感性豊かな人間

完成が豊かな人間は、芸術を愛し、尊重し、自身を取り巻く周囲の世界に対する驚きや美しさを感じ、楽しむことができる豊かな文化的感受性を身に付けた人間を意味する。幼児は、多様な物事や媒体、人と自然に敏感であり、周囲の様々な芸術と文化に関心をもち、その中で美しさと楽しさを発見する。また、幼児はこのような美しさを多様な言葉、歌や身振りで表現することが好きであり、楽しんでいる。

改訂ヌリ課程では、幼児が日常と遊びの中で美しさを発見し、共感し、これらを多様な芸術へ表現しながら文化に向かう人間に成長していけるよう支援する。

共に生きていく人間

共に生きていく人間は、自身が関わっている社会に所属間を感じ、他の人と命を尊重し合い、自然と共に行きることでより良い社会を作っていくため社会問題に関心をもち、協力する民主市民を意味する。幼児は、周囲の人を含む全ての命に対する感受性に優れており、自身に身近な人や周囲の世界と関係を作りながら自発的に社会の秩序や疎通方法を学んでいく。

改訂ヌリ課程では、幼児の家族、周囲の人、動植物と身近な環境に関心をもち、大切にしながらお互いに配慮する心情と態度、責任意識をもつ人へ成長していけるよう支援する。 

以上が、追究する人間像として解説書に書かれている内容です。

各項目は、それぞれの”人間(子ども)像”がどんな意味であるのか、それに対する幼児の特徴、教師(ヌリ課程)の支援方向の3文で構成されていました。 最後の部分が、特に幼稚園で重視して行いたい部分であると読み取れます。

 

まとめ

各項目を見ていくと、幼児期には、心と体を含めた健康と安全の認識を高めること(”健康な人間”)や、自己理解を始める段階としての丁寧な関わりを通して自己肯定感の基礎作りを行っていくこと(”自主的な人間”)、また幼児期が感受性に重要な時期であると認識して遊びや活動に取り組んでいく(”感性豊かな人間”)、といったことが必要であることが示されており、これらの方向に向かって幼児教育が実践されていくことが分かりました。

 

今回の改訂では、これまでにも出てきたように指導案を基に保育が行われる教師主導ではなく、幼児が遊びの中から学んでいく幼児中心、遊び中心が謳われているため、追究する人間像に向かう過程も遊びの中で行われるということが大前提となっています。このように見てみると、以前の記事にも登場したこの図。

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追究する人間像を掲げ、領域にまたがった遊びの経験を通して幼児が成長していくといった読み取り方ができました。

  

では具体的に、追究する人間像と目的、目標、遊びがどうつながっているのか。 また次回、さらに詳しく見ていきたいと思います。

 

 

参考文献

教育部『2019 개정누리과정 해설서』

教育部『2015 개정교육과정』

 

 

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