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〜きなクラス別館〜

【韓国の幼児教育】オリニジップ・幼稚園の評価制度とは

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今回は評価制度について、資料を基に整理してみたいと思います。

 

韓国の保育・教育施設

韓国には、日本の保育園にあたるオリニジップ(保健福祉部管轄)、そして幼稚園にあたるユチウォン(教育部管轄)が主な保育教育機関として存在しています。

 

以前、概要をまとめましたのでこちらもご覧ください。

※遊び学校(놀이학교),英語幼稚園(영어유치원)などについては、「学園」扱いとなり上記の2つの保育教育機関には当てはまらないので、ここでは比較しないことします。

 

主な違い

主な違いはこんな感じです。

 

オリニジップ(어린이집)

ユチウォン(유치원)

管轄

保健福祉部

教育部

対象

乳幼児(満0歳〜就学前)

幼児(満3〜就学前)

教育課程

標準保育課程

>0〜1歳保育課程

>2歳保育課程

>3〜5歳保育課程(ヌリ課程)

2019年 改訂ヌリ課程

 

授業日数

年中無休(日曜・公休日を除く)

法定日数(180日)以上、園長の裁量で決定

時間

全日制(12時間)

夜間保育

半日制(4〜5時間)

放課後(방과후과정)8時間以上

園の評価

評価制度あり(어린이집 평가제)

評価制度あり(유치원 평가 5주기)

 

日本と同様、免許に関しても違いがあり、オリニジップの場合は保育教師の免許、ユチウォンの場合は幼稚園正教師の免許が必要になります。

 

評価制度について

韓国では、国家主導で保育教育施設に対する評価が行われています。

2004年に法的な整備が行われた後、試行期間を経てオリニチッブでは2006年(1차 평가인증)、ユチウォンでは2008年から評価が始まりました(1주기)。

 

最近の動きを見てみると、オリニジップにおいては、2019年まで申請したオリニジップに対する「評価認証(평가인증)」として行われていましたが、2019年6月からは全てのオリニジップを対象にした「評価制(평가제)」が始まっています。

 

ユチウォンにおいては、2020〜2022年は第5期として評価が行われています。

 

保育園/評価制(2019.6~)

評価は以下の4領域で行われます。

評価領域

1)保育課程、及び相互作用

2)保育環境、及び運営管理

3)健康・安全

4)教職員

それぞれの領域がさらに細かく項目に分かれており、項目ごとに「優秀」、「普通」、「要改善」で評価され、そのトータルの数で領域の評価も決定します。

例)保育課程、相互作用の指標5つのうち、「優秀」が4つ以上であれば「優秀」、「要改善」が1つでもあれば「要改善」、それ以外の場合に「普通」となる。

 

そしてその4領域の評価をトータルし、オリニジップの等級(A~B)が決まります。

オリニジップ等級

A: 4領域のすべてで「優秀」の場合

B:「優秀」が3つ以下、「要改善」なしの場合

C:「要改善」が1つある場合

D:「要改善」が2つ以上の場合

 

細かな項目の中には、「給食・おやつ」、「登下校の安全」など直接子どもに関わる内容から、「園長のリーダーシップ」、「教職員の勤務環境」など、結果として子どもに関わる内容まで包括的に含まれています。

このような評価を通して子どもとの関わり方、保育環境などを見直し、より質の高い保育へと改善を図っていきます。

 

評価の方法に関して、現場ではさまざまな声(評価への準備が負担、その日限りではわからないなど)があるそうですが、第3者が評価するものとして、ある程度はオリニジップの質を表す指標となり、保護者への情報提供としても必要なのではないかと思います。

ただ、このような指標だけでオリニジップ選びをするというよりも、直接行って保育の様子や先生の様子を見るのが一番かなと個人的には思います。

 

各オリニジップの評価を見る方法はいくつかありますが、「육아종합지원센터(育児総合支援センター)」のHPからも確認できます。

 

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※住んでいる地域を設定して検索してください。

AやBで表示されているのが認証の結果(等級)になります。それぞれの領域の結果を見れるサイトもありました。

 

幼稚園/幼稚園評価(第5期)

教育部が提示している領域は、オリニジップの4領域と同様です。

また、第5期を迎えるにあたってソウル市では独自の評価領域(3領域)を基に評価を行なっています。より幼稚園の自律性を高めるために評価項目の一部は自律的に構成することができたりと現場中心の評価、評価の簡略化などが狙いとして示されていました。

幼稚園評価(ソウル市)

1)幼児中心教育課程および放課後課程

2)民主的な幼稚園運営

3)安全で清潔な教育環境および幼児のための健康安全教育

評価は自己評価(1、2領域)と専門家や教員による書面評価(3領域:「優秀」、「適切」、「要改善」)で行われます。

文章でまとめられた結果の報告書が園ごとにあり、それぞれの園のHPやポータルサイトから結果を確認することができます。

 

ただ、自己評価の項目が多いことは園の自律性を生かすことにもつながりますが、ニュースでは児童虐待があった園でも健康安全分野において「優秀」に区分された例もあったことが報じられており、今後も改善されていくものと思われます。

 

オリニジップ、ユチウォンの評価結果はこちらからも検索できます。

 

おわりに

遊び中心の教育課程になりながら、教師が専門性をもってより教育の質を高めていくために評価は必ず必要となってきます。ただ、その評価を誰のためにするのか、その方法や時期には課題がありそうです。

 

現場の先生や園長さんにお話を伺うと、評価を通して勉強になるという方もいれば、評価項目に書かれた通りのことができれば高い評価がもらえるというのであれば、結果として教師の自律性は制限される、保護者にアピールするための評価になっているなどという見方など様々な意見がありました。(私調べ)

 

こういった部分に関しては論文もいくつか出ているのでまた読んでみたいなと思います。評価ひとつをとっても面白いです。

 

修士での教育実践、小学校教員の経験を通して「授業」に対する評価に多く触れてきましたが、博士では幼児教育ということで「遊び」に対する評価について考える日々です。幼稚園免許を取るときは詳しく考えたことなかったので、授業内容も新鮮で楽しいです。幼児にとっての遊びが1つの興味から広がり、展開し、世界と知っていく過程とするなら、私にとってブログも遊びなんだろうななんて考えながら、、終わります。笑

 

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参考資料

保健福祉部・韓国保育振興院(2022)オリニジップ評価マニュアル

ソウル特別市教育庁幼児教育振興院(2022)2022年度第5期3年目幼稚園評価基本計画